「みんなの鳩サブレースタジアム」施設運営に関する重要なお知らせ

あと1年ほどで閉鎖予定の、「鳩スタ」こと「みんなの鳩サブレースタジアム」。
鳩スタがこれまで産み出してきた地域のにぎわい、そしてスポーツが身近にある生活を絶やすことなく次世代につなげたい。
そのために、現時点ではあらゆる可能性を排除することなく、スタッフ総出で多方面に働きかけているところです。
まずは新たな活動場所の確保に向けて、皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。
※施設の利用予約につきましては継続して受け付けております。

「みんなの鳩サブレースタジアム」をいつもご利用・ご支援いただき、ありがとうございます。

約5年間の構想期間を経て、2021年10月、鎌倉の湘南深沢の地で産声を上げた「みんなの鳩サブレースタジアム」(以下「鳩スタ」)は、多くの企業様や個人の方々からの多大なるご支援を受け、ここまで運営してきました。

鳩スタのコンセプトは「地域でつくる“みんなのスタジアム”」であり、鳩スタをホームグラウンドとする鎌倉インターナショナルFC(以下「鎌倉インテル」)のクラブビジョンは「CLUB WITHOUT BORDERS」です。

年代や性別、志向や価値観の違いなどを乗り越えて、様々な人がスタジアムづくりに参画し、それぞれが抱いていた目標や夢にチャレンジしていく。そのような人が鳩スタやクラブを通じて混ざり合うことで、さらに大きなムーブメントが生まれる。まだまだ大きなうねりではないものの、オープンから約1年半、皆様のお力を借りながら、鳩スタおよび鎌倉インテルがこのようなエコサイクルを地域に生み出すことができたものと自負しております。

鳩スタは鎌倉インテルのホームグラウンドとしてのみならず、現在では約400名の子どもたちのサッカースクールやボール遊び教室、陸上やラグビースクール、さらには高齢者の体操教室など、利用者や用途を限定せず、スポーツ・コミュニケーションという枠で幅広に利用されています。利用予約がない時間などには地域に開放し、近隣の幼稚園・保育園や障害者施設の方々にも無償でご利用いただくこともあります。

また、源平合戦を模した壮大なチャンバラ合戦、地元出身のアーティストを招いた納涼祭など、子どもから高齢者の方まで、数千人が参画する地域のイベント開催にも供してきました。

昨夏に開催した夏祭りでは、人工芝を子供が寝転び、駆け回り、その横で大人たちがピクニックベンチなどに腰掛けて、少年サッカーのプレイに一喜一憂し、アーティストのパフォーマンスに酔いしれる。そのような原風景を創出できたことは、今でも我々運営スタッフの誇りになっています。

さて、その鳩スタですが、いよいよ閉鎖予定日が迫ってきました。

皆様もご存知のように、鳩スタのある湘南深沢地域では、隣接する藤沢市の村岡地域と合わせ、JR東海道線の「村岡新駅(仮称)」の設置とともに、新しいまちづくりに向けた都市開発が計画されております。鳩スタはこの開発が着手されるまでの暫定利用という前提で、地権者である民間企業より一時賃貸借契約の形で用地をお借りしている状況です。

そして現行契約の関係上、現時点では鳩スタの運営自体はあと1年ほどで終了となる見込みです。

もちろん当初より上記のような暫定利用を認識した上で、民費民設民営の事業計画を立てております。「初期投資を2、3年の運営で回収する」という、一般的にはかなり無理のあるビジネスプランではありましたが、蓋を開けてみると、「みんなのスタジアム」というコンセプトに根差した新たなまちづくりの萌芽、そしてそこに参画する個々人の成長、という貨幣価値には換えられない社会的価値を生み出すことができました。

鳩スタの運営終了が迫っている今、我々としてはこれまで培ってきた文化や価値を絶やすことなく、なんとか次世代に引き継ぎたい、その方法を模索しているところです。まずは次なる「場」の確保、そして志を共にする方々のご支援を必要としています。

鳩スタの運営終了後の事業継続に向け、我々は以下のような対策を講じておりますが、これらに該当する用地はないか、その他の対策がないものか、ぜひとも、皆様のお知恵などを拝借させていただければと思っております。

①フルサイズのサッカーグラウンドの用地を市内外で探す
現在の鳩スタと同等の規模の代替地を鎌倉市内で確保できるのが理想です。これまでいくつかの候補地に打診をしてきましたが、現時点で、立地や面積の面で要件を満たす場所は見つかっておりません。サッカーの公式試合が実施可能な規格を実現しようとすると、少なくとも1万平米程度の用地が必要になりますが、そもそも鎌倉市内には大規模な更地が少なく、候補地は簡単には見つかりません。暫定的にでも、また、近隣の市町に対象を拡げてでも候補地を探したいと考えております。

②ハーフサイズ相当のグラウンド用地を鎌倉市内(できれば深沢近辺)で探す
200名を超えるサッカースクールの子どもたちなど、鳩スタが市外へ移動してしまうとなると、継続して活動していただくのが難しくなってしまう利用者の方もいらっしゃるのではと考えています。
そのため、①のようなフルサイズの用地確保が難しいとしても、せめてその半分くらいのサイズ(3500〜5000平米程度)の用地が確保できないかと思案しております。鎌倉インテルの公式試合のように、大人のサッカー公式戦は実施できないにしても、子どもたち向けの各種スクールや高齢者の方向けの健康教室、小規模ながらもお祭りなどのイベントは継続開催できるのではと考えております。

上記のように、①フルサイズと②ハーフサイズ、どちらのシナリオも並行して、その可能性を模索していきたいと思います。鎌倉市内外の休耕地、遊休地、工業地域の一部、学校などの教育施設など、可能性のある用地にお心当たりがありましたら、ぜひご一報いただけますと幸いです。

最後になりますが、私たちは、鳩スタや鎌倉インテルの運営を一種の「まちづくり」と捉えております。多種多様な仲間が集まり、各々の想いをぶつけ合いながら、理想とする未来のイメージを語り合ってきました。みんな(民)で築き上げた思想やデザインを、地域(公)に還元していくような、新しい民公連携のあり方を模索しております。

大きな資本やさしたる経験知を持たない我々にとって、鳩スタや鎌倉インテルの運営はいばらの道ですが、苦労を重ねて事業を進めたその先には、誰も成し遂げなかった新しいまちの地平が見えてくる、それが我々スタッフの行動の源泉となっております。

そんな想いをこめたビジョンスケッチをお見せし、本文の結びとさせていただきます。

鳩スタの運営サイドとしましては、あらゆる可能性を排除せず、幅広に検討をして進めていますが、情報や関係性にも限りがあるのが実情です。ぜひ、鳩スタに関わる多くの方々に現状をご理解いただき、耳寄り情報などありましたら、ぜひ、私どものスタッフにご連絡いただくか、または「みんなの鳩サブレースタジアム」公式サイト(https://hatostadium.com)の問い合わせフォームよりご連絡いただけましたら幸いです。

一般社団法人鎌倉スポーツコミッション
代表理事 堀米 剛

鎌倉インターナショナルFC
代表 四方 健太郎・吉田 健次